新モード「FT4」 WSJT-X

平成が令和となる、ボケッとしたある日、QRZ.comを見ていて、K1JT ジョー先生が「FT4」というモードを開発中なんだぜ!とおっしゃられていて、リファレンスみたいなものがプリンストン大学のサーバに落ちていないかなと探していましたら、ネタとなるものがありましたので、ご紹介します。

(Tnx 日本語訳 JA7UDE 大庭OM。原典と日本語訳を両方参考にしています。ただし、現在の本家WSJT-Xページに記載のPDFファイルは2019年4月22日付のもので、最新のWSJT-X 2.1.0-rcXには対応できていない部分があります。総務省が認知できていない、「ぜんぶ一式揃ったもの(再現可能)」の公開がなければ、公共の用に供される電波型式とは、日本の電波法令の世界では言えないと考えています。)


謹告(2019/6/4)
FT4は開発中の名称で、FT8開発時の例からしても、大幅に完成が遅れることが十分に考えられるため、申請(届)を行う方は、GA版が出るまで、テストオペレーター(人柱)としての矜持をもって臨んでいただきますよう、謹んで申し上げます。正直言って、もう少し様子を見てくださった方が良いと思います


(本家プリンストン大学のWSJT-Xページなどの更新を定時自動チェック開始。GA版リリースまで当分の間、行います。アマチュア無線家であるため、時間的な制約があります。このページのFT4情報の即時性には期待しないでください。なるべくなんとか努力はします。2019/6/4)

FT4とは何ぞや?(想定される仕様・スペック)

(2019/6/4)
WSJT-X 2.1.0 rc7以降において変更がありますが詳細な仕様が公表されていません

4-GFSK + 90 80?Hz 23.4 20.8?ボー 符号構成WSJT/FT4

FT4の電波型式は、過去の「GFSK」の業務局や無線機器などの免許などによれば「F1D」の記述が見られましたので、「F1D」として手続を進めました。少し、FSKとは違う波形なので、ここでつまづかれる方があると思います。

上述のスペックで、FT4対応 諸元表書き換え←LINK を行いました。令和元年5月22日付 審査終了・・・ですが、この通過した諸元でWSJT-X 2.1.0-rc7以降は運用できないと考えています。変更点が多いのです。

FT4はコンテスト用に開発された「4-FSK」のモードです。信号発射時にはFSKをさらに計算をして4ーGFSKとして変調されます。

現在(6/4)のところ「WSJT-X 2.1.0」RC版で提供されています。(リファレンスが未発表であり、WSJT 2.1.0-rc7の段階で変調帯域幅や送受信時間などの変更がありました。したがって、rc5以前のバージョンで工事設計書変更申請(届)を通した局にあっては、さらに、変更申請(届)が必要になります。)

GA版リリース後、各局がどのように運用するのかは未知数です。もしかしたら、普段使いのモードとして使われるかもしれませんし、コンテストだけということに落ち着くかもしれません。現在(2019/6/6)のアナウンスでは2019年 6月15日 7月以降にGA版を最終リリースの見込み(予定ではないことに注意)。

FT4はRTTYコンテストの代替モードを想定しているような書きぶりですが、いまのところ、モード仕様の概要を読む限り、実際のQSOでどのようにオペレーションすればよいのかの見当がつきません

FT8とオペレーション自体は変わらないということですが、相当、精度を高くしたPCの内臓時計の設定を行わなければならないでしょうし、1秒以上の狂いは実際のオペレーションでは許されないと思います。実際の送信時間は 4.48 7.5?秒。1秒程度をデコードなどの時間にあてていますから、都合 12 15?秒。1秒狂ったらデコードできないでしょうね。(1秒以上のディレイの許容をrc7で実装。伝搬上の遅延は考慮されているとのことです)

半自動というより、1交信が終了するまで30?秒~50?秒程度しかかかりませんから、ほとんど、クリックするだけのPC任せということになると思います。

送受信時間は 12 15?秒ワンセット

送信 7.5?秒受信7.5?秒 12 15?秒がワンセットになります。

もはや、人間ワザではオペレートできない範囲です。「R C1508 TU 73」などとさーびすぅ!している余裕はありません!

FT8では送信15秒+受信15秒=30秒でワンセットになりますので、比較するとかなり早いです。

1時間で100QSOs可能?

原典では、半自動で同時刻に複数のCQを出している局に優先順位を与え、ボタン1発で次々に応答できる機能があるらしく、コンディションが良ければ、1時間あたり100QSOsくらいできるよ!と書かれています。(4月公表の開発チームの文書によります。優先順位は、コンテストの未交信マルチだったりするそうです。)

再び「4-GFSK + 90 80?Hz 23.4 20.8?ボー 符号構成WSJT/FT4」

変調占有周波数幅

プロトコルの概要が公開されていますが、単純に4-FSKということではなく、送信時にガウス関数をかけて平滑化(なめらか)してから変調信号を作りナミを出します。ですので、変調上の方式は「4-GFSK」ということになります。

ガウス関数を用いることで、FSKキーイングのときにガウシアンカーブができますので、それを検知することで強力な符号誤り訂正ができるのと、変調帯域を狭くすることができるため、例によって正確な変調占有幅は公表されていない(いつものことです)のですが、おおむね 90 80?Hzのようです。( 90 80?Hzの中に単純に4つのFSKがあるのではなくガウス関数で周波数平滑化されるので、多少ふにゃふにゃしますから、実際の信号は今まで聞いたことがないものになると思います。ここは日本語訳ではなく原典を参考にしています。)

また、GFSKになるので、一見、周波数がナマのFSKで出した時よりも狭帯域に見えるそうですが、変調域でのオーディオ的なフィルタは用いていないとのこと。

RTTYと、ナマFSKのFT4と、ガウス関数処理したGFSKのFT4との比較グラフがあるのですが、ガウス処理をすると何がどう変わるのかの数値は示されていないので、平滑化(周波数キーイングをなめらかにする)処理で変調域を圧縮できるとおっしゃられているのかなと。(文脈的には)FSKなのにオーディオフィルターを持たせている一部のRTTYソフトウェアへの批判っぽいです。

いつものことですが、FT4もFT8もJT65もサブキャリア(副搬送波)という概念はありません。周波数は変調域のところどころにマークされた信号を読み取り、復調範囲をその都度確定しているからです。

電波伝搬上で発生する位相ズレなどによる変調周波数の変化、リグ由来の周波数の不安定などはソフトウェア側で処理されます。これは、FT8やJT65と同じです。

換算ボーレート

換算ボーレートがRTTYとの比較で書いてありますが、 23.4 20.8?ボー(概要不明のため換算不可能)です。

WSJTシリーズでの(本来の意味での)ボーレートは換算表記しかできません。CWが換算で文字/分であるのと同じような感覚です。

符号構成はジョー先生が作ったもので、ISOを通したとかというものではないので免許申請上の符号構成は「WSJT, FT4」で当面よいと思います。将来的には附属装置諸元に「ジョセフ・テイラー氏考案方式」とか書き直そうかなと思っています。きりがないので。

実際の話

随時、対応はしていくのですが。「これ、おもしろいの?」という今のところの感想です。スリルはあるにしてもサスペンスしかないのではのか?という。

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